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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

-15回-高村光太郎 

彼は、彫刻、詩作のほかに評論を行っていますが、その中で書の造形について、

書を究めるといふ事は造形意識を養うことであり、この世の造形美に眼を開くことである。(高村光太郎)

明治33年(1900)18歳
与謝野鉄幹の主催する新詩社に入り、「明星」に短歌を主とする文学作品を発表しはじめる。又、しきりに書を習い、当時の風潮にひかれて六朝書などにも興味を持つ。 
「高村光太郎書(二玄社)より」

明治13年(1880)楊守敬が金石碑版の拓本を持って来朝。その中でも、北碑を学んだ日下部鳴鶴の書風は、天下に流行。その流れもあり、当時18歳の高村光太郎も六朝書に興味を持ったのだと思います。

では、下の図版の造像記の面白さって何?

鄭長猷造像記 有名な造像記です
一目みただけでも、元気があり力強く、面白い書風・楷書です。

細かく、それぞれ1本の線表現を見比べたいと思います。

●事務局小林的観察
入筆と終筆が角張り、内側に反って見えます。
(一)の上下の変化を見てみると、上も反り、下も反った表現が組み合わさっています。

可比丹の解釈です。

上の反り+下の反り⇒両反り
●事務局小林的意見
入筆は内側に反らせるために、穂先を挫いている?
二つの反りを組み合わせるために、真ん中で捩じりを加えている?
終筆も内側に反らせるために、穂先を大きく開く?
「一」の線の表現に変化をもたせた楷書「筆意」の力強さですね。

以上、一本の線を考える面白さ!でした。
 次回は、事務局がこの線を書いてみたいと思いますが、

※可比丹(カピタン) ポルトガル語capitanoの音訳「甲比丹(カピタン)」。
「甲」は音が同じの「可」にしたとのこと、意味するところは「船長、キャンプテン」。
北川先生、「可比丹カピタン」の雅号で立体象書研究会のキャプテンです。
ブログにも登場します!

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