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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

-14回-高村光太郎 「書についての漫談」

彼は、彫刻家、詩作のほかに評論を行っていますが、その中で書の造形について、
 
光太郎は、
日本にも、考えてみると、大昔から実に立派な書家が数多く居た。そしてやはり人のいふ通り弘法大師は偉大である。日本風の分子はまだまるでないが、これは大陸本土へ持っていっても見劣りのしない本質的な書の骨格を持ってゐる。むろん羲之の流れだが、ただの模倣ではなく、書に空海の生活がある。
 
総じて空海の書には一通りならぬ奥行があり、恐ろしく強いエネルギーがある。これに比べると、伝教大師の書は同じやうに立派だが、どこかにしんの弱いところがあり、ひどくお人好しのやうに見える。
「書を語る1」より
 
観るということは、平面での鑑賞、批評ではなく平面から立体をともなう三次元の(象かたち)をつかみだし、時空を越えて、まさに書いている筆を手にしている筆者に語りかけるものなのです。おおまかにいえば、書の鑑賞、書の芸術性は、辿ると四世紀の東晋・王羲之になり、日本では、平安・空海に辿りつきます、、、(可比丹)

空海の書には一通りならぬ奥行があると、高村光太郎は言っています。
 
空海の筆意(3次元)を観察し臨書する。
   
空海「灌頂記」

可比丹の臨書です。

「子」の3画目の線は、手前から奥に回ってまた手前に戻る?

「人」の2画目の線は、奥から長く手前に大きく回りながら引っ張ってくる?

総じて空海の書には一通りならぬ奥行(3次元)があり、恐ろしく強いエネルギー(捩じり)がある!とは光太郎の観察だろう。

 ※可比丹(カピタン) ポルトガル語capitanoの音訳「甲比丹(カピタン)」。
「甲」は音が同じの「可」にしたとのこと、意味するところは「船長、キャンプテン」。
北川先生、「可比丹カピタン」の雅号で立体象書研究会のキャプテンです。
ブログにも登場します!

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