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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

書の美学と書教育

下図、サンドペーパー1000番の磨きを終える立体象書作品、その後ろにある書「楽毅論」、古くから王羲之楷書の第一とされてきた劇蹟、その楽毅論を臨書(光明皇后)した印刷物(巻子本)。題簽に朝陽閣(印刷局)集古、第三とある、広げると「光明皇后御筆・東大寺御物」とあり、最後に明治癸未(1883年)、大蔵省印刷局の印が押されている、高田竹山(忠周)、印刷局(朝陽閣)在職中の印刷物、明治癸未の歳の記事に、1883年11月28日の夜、、、当時で15万円という大金をかけてルネサンス式洋館を旧薩摩藩上屋敷の跡に建設した鹿鳴館の落成の宴が催された、、、とある明治16年。    光明皇后(701~760)の楽毅論臨書(正倉院御物)、巻尾に天平十六年十月三日・藤三娘、と書かれている、光明皇后はどのような気持ちで楽毅論を臨書されていたのだろうか?できないことではあるけれども、王羲之の拓本を机上に光明皇后、、、―王羲之の「筆意」を3次元で造形するとこのような象(かたち)になるという立体象書―時空を超えて、ご覧いただくという想像をしてみたくなる臨書!「面白い!」という一言!「いいね!」の一言!が、臨書をされた楽毅論の筆跡から、筆脈から、筆意からもうかがえそうな、またそんな気持ちにもさせてくれそうな正倉院御物、光明皇后の楽毅論の臨書!書の造形とは面白いものなのです!と筆を執られていたにちがいない!!!
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昭和三十一年「書の美学と書教育」 井島勉・墨美社のつづき
―芸術教育としての書教育―
 書教育が国語に属するということが、たんに便宜上の事柄にすぎないことと確認されておれば無難であるが、しかしこの措置は、往々にして重大な誤解を招く危険がある。そしてこの誤解は、書の本質に関する認識不足によって、もっともらしい基礎づけを施されて、抜くべからざるものとなる可能性がある。
 書という独自の芸術が主張されるとき、それが文字を素材とする芸術であることは、ともかくも承認されなければならないであろう。けれども、文字を素材とするということは、たんに文字を対象とすることではなくて、正確にいえば、文字を媒質とし場所として、そこに芸術をつくるということである。、、、とつづく(1956年)

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