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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

講習会補記、菘翁舊藏勅字本

書(苑)・第三巻・第四號 特輯十七帖號、菘翁舊藏勅字本(三井氏聽氷閣に藏する館本十七帖)
 ―十七帖の考究― 須羽 源一
p.24、、、この本は筆法轉折の處が悉く裁断されて居て、全く特殊な趣を有するものである。古くは明の祁豸佳の有であつたかその印が捺されている。それより如何なる經路を辿つたかは不明であるが、貫名菘翁の手に入り、菘翁からその門人吉田公均に移り、後巖谷一六翁の手に渡り、日下部鳴翁の藏となり、翁の晩年に三井家に入つたものである。
 鳴鶴翁の跋に曰く
 、、、(摸)刻精到、神采奕々、連所みな斷れ、斷所みな連るの妙、具備せざるなし、、、洵に神品たり。云々、、、とある。菘翁の門人であつた内村鱸香氏は「先師十七帖を藏すること四十餘種の多きに至る。而れど此の帖を最上とされた」と言つてゐた。

、、、今この帖を見ると斷筆が眞に甚しく、筆を以て書いたものとは思われ難い所がある、、、しかし筆力雄健な點は他に比類なく、正に寰宇の孤本である。曾て巖谷一六翁はこれを木版に附したことがある。、、、とある。

菘翁は、この十七帖の斷筆に、他とはことなる王羲之の「筆意」を観たのかも知れない!!!
浣花帖、二文字目の「開」字、、、草書体の縦劃からの移動を、菘翁の筆意を、「三次元で」!

下図、立体象書的に、斷筆の表現を造形する!!!帙の上に置き、写す!!!
DSC01047619.JPG
昭和三十一年「書の美学と書教育」 井島勉・墨美社
―芸術の本質についてー p.185つづき、
ところが、芸術の場合、この基準は、制作に先だって、あらかじめ、十分明確に見尽くされているわけではなく、また見尽くされていてはならない。いわんや一定の姿において、外から指定されてはならないのである。特に芸術から区別されて技術とよばれるものの場合は、あらかじめ定められている規準もしくは目的を実現するための手段を意味し、また模倣とか模作とかとよばれるものは、あらかじめ外に指定されているものを基準とし目的として遂行される労作にすぎないゆえに、そこにおいて問題となるものは、たんなる技術性であって、芸術性ではないのである。 


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