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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

高村光太郎 美について

9回にわたって高村光太郎を紹介しています。彼は、彫刻家、詩作のほかに評論を行っていますが、その中で書の造形についてとてもよい文章を残しています。

今日のタイトル - 2次元、3次元、4次元? -②
8月11日にアップした - 2次元、3次元、4次元?-の続きです。

●立体象書研究会は、古典と対峙する臨書(四次元)を研究する会です。
 
臨書(書体・書法を研究)は、古典を研究することです。古典に学ぶとは、時(とき)をこえる世界に入ることです。たとえば、風信帖を観て臨書をすることは、生きている空海に会い、話をすることなのです。印刷されている書の線は、生きている墨線ではありません。出来るだけ、本物(肉筆、原拓)の資料を観ることが必要です。時空をこえ、古典や筆者を身近に感じることです。臨書とは、東晋(羲之)、平安(空海)と、直接に会話ができる夢の世界(四次元)なのです。(可比丹)
 
●光太郎は、書の古典を観るとき、その時代にタイムスリップしたかのように思考をめぐらせ、次のように書いています。

漢魏六朝の碑碣の美まことに深淵のやうに怖ろしく、又實にゆたかに意匠の妙を盡してゐる。しかし其は筆跡の忠実な翻刻といふよりも、筆と刀との合作と見るべきものがなかなか多く、當時の石工の技能はよほど進んでゐたものと見え、石工も亦立派な書家の一部であり、丁度日本の浮世繪に於ける木版師のやうな位置を持つてゐたものであらう
 
顏眞卿はまつたくその書のやうに人生の造型機構に通達した偉人であり、晩年逆徒李希烈に殺されるのを預め知つて、しかも從容として運命の迫るのを直視してゐた其の態度の美が彼の比類無い行草の藁書類に歴々と見られる。  

●古人の生きた時代にタイムスリップして、同じ文房四宝を使い、同じ机の高さ、角度で、 正座?し、彼らと同じリズム、バランスで(4次元)立体造形(3次元)を作り夢の世界を体感しよう!
   
 顏眞卿 争坐位帖(書道全集より)「真」字を手で掴み出すと、、、
                     2008年「立体象書展」可比丹作「真」字より

☆ まずは針金とペンチの準備 ☆

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