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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

―「書」を書くこと―菘翁・天来翁書話

下図、題簽に「菘翁先生楷書朱子家訓帖・卓藏題簽」とある。跋文には、小林卓藏・日下部鳴鶴・内藤湖南がある。奥付に、大正元年九月三日 發行所 鳩居堂本店とある。
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昭和十三年發行「天来翁書話」に、
天来は―貫名菘翁の筆に、、、中風以後のものが或る點に於て一段の進境があったに相違ない。具眼者が認めて以て疑はざる與論であろ。―として
、、、其れには中風になると、何故に習氣がとれるかと云うことを研究する必要がある、手が少し不自由になると習慣で書くと云うことが不可能になる昔通りに調子を出さうとすると、思ひも寄らぬ處へ筆が飛んで行く、其處で止むを得ず、沈着いて、一々心が先立になって筆を運ぶ、一寸でも油斷が出來ないことになる。之が期せずして「意前筆後」と云う書法中の最上乗なる虎の巻に契合するのである。一寸の油斷も出來ぬから、極く眞面目になる、極く眞面目になれば、如何に奇な字を書いても少しも輕薄にならない、滑稽にならない、是れが直正の奇と云ふものである。詩文、書畫、其他總ゆる文學藝術、奇ならざるものは盡く俗である。便宜上分類して奇と云い正と云ふ場合もあるが、實は奇でない所の正は藝術的に観た眞の正ではない、正でない所の奇は藝術的に見た眞の奇ではないのである。奇は則ち變化のことであって、正は則ち眞面目のことである。
いかがですか!!!つづく
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