忍者ブログ

立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

、、、空間的転位を含むか含まないか、といふことに存するのである、、、

立体象書研究会会員「書」作品、第32回 安芸全国書展(6/8~8/17)、
立体象書研究会会員出品者の作品鑑賞(7/13)・会場作品から、
―別府止母さん、作品「徙」、―

*..........今日の別府さんの金文濃墨作品「徙」、、、「徙」シは‐p.98‐金文編 中華書局‐0222‐「徙」‐觚・觶・尊・盉の銘文にある、、、p.897‐大漢和辞典‐諸橋轍次‐大修館書店‐巻四‐【徙】10142‐シ‐、説文、段注本、或體、古文の「形」がある。➊うつる。うつす。㋑處をかへる、、、「解字」‐段玉裁に依れば、辵と止との會意。行きて止まる、移る意。‐とある、
 この濃墨作品、「徙」(シ)字・金文から濃墨の墨線へと、文字のもつ意味をも含めて、視覚を平面から立体化を可能にさせているかのような表現だ、、、昨日は「開」をとりあげた、書を見る、ものを見る、目に映(うつ)らないところのものを見る明(めい)が必要だ、これが見識(けん しき) だ、.........

、、、1953年現在、、、
 墨美 No21 ― 諸芸術における空間性について 井島勉 ― 
 p.2、、、 現実の立体を平面化するのも視覚であるが、絵画の観照において、現実平面を立体化するのも視覚である。だから、視覚性を原理とする絵画の平面は、単純なる空間的平面ではなく、いはば奥行を含んだ視覚的(絵画的)平面である。遠近法とは、このやうな平面の法則である。從つて、厳密な遠近法はルネサンスに至つて初めて確認されたがしかし如何なる時代の絵画といへども、模写芸術としての絵画である限りは、何らかの遠近法を欠くことはできない。むしろ、如何なる遠近法を法則として絵を描いたかが、それぞれの絵画に獨自の作風を形成したともいへるのである。絵画的描写と場所の移動とが区別される所以は、このやうな視覚性に媒介されてゐるかゐないかといふこと、換言すれば、右の如き空間的転位を含むか含まないか、といふことに存するのである、、、つづく


......背景・余白・独自の遠近法の意味をわきまへなければ、芸術としての書は、到底生まれないであろう、、、昭和28年の井島勉氏、......



拍手[7回]

PR