下図、顔真卿・祭姪文稿、臨書「心」字の上に筆意(3次元)を表現した「心」立体象書を置く!!
昨日のつづき、、、
「書の美学と書教育」昭和三十一年 初版 井島 勉 ・墨美社
あらかじめ心得べきことども P.157
、、、それ以外に、書そのものに内在する特殊事情が有力な原因となっていることも否めないであろう。
、、、①書の本質そのものを把捉えすることが、はなはだ容易ではないということ。―私も美学の立場からいくらかその解明を試みたことがあるが、まだ十分に満足のゆく見解に達していない。従来、人びとによって行われてきた書論をもても、納得できるものは皆無といってもよい。書を育てた東洋の芸術観の一つの特色ともいうべき神秘思想が、他の伝統芸術の場合と同様に、わかるようなわからないような信念を述べたてるだけで、一向に明晰な科学的考察を展開してはいない。書家たちが、もったいぶって秘儀や秘伝のように、その独自性自負しているうちに、他の進歩的芸術から取り残されてしまった形である。外国流の美学理論では割り切れぬ特異性を有しているとはいえ、必ずしもその本質が不可解だということにはならないし、その本質を究明するひつようがないということにもならない。、、、とある。
その独自性を自負しているうちに、他の進歩的芸術から取り残されてしまった形である―これは五十年前のこと!!!なのであります。今、はたして本質が究明されているのだろうか?また、究明しようとしているのだろうか?
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