三次元で表現した筆意、顔真卿・祭姪文稿、心字を衝かみ出し、側面より見る始筆、、、
昨日のつづき、、、
「書の美学と書教育」昭和三十一年 初版 井島 勉 ・墨美社
あらかじめ心得べきことども p.157.158
図画工作の名でよばれている美術教育界の現状に比して、書教育界の実情は、遺憾ながら水準が低いように思われる。戦後の社会的風潮が著しく親欧米的となって、伝統的なものが置き忘れられたような形になったことや、教育行政的な意図から、書道科が棚上げされていたことなども、その重要な原因の一つであろうが、、、、とあり、昨日の①につづく、
②本質が理解されていなかったり、誤解されていたりする間は、書教育の正しい方法が見いだされる道理はない。自己満足的な稽古ごととしてならばいざしらず、いやしくも教育の方法論が、権力者の独善的な号令によって左右されるごときものであってはならない。書教育者のおのおのが、書の本質に関する正しい洞察と、それに基づく正しい方法を用意する努力を怠ってはならぬ。、、、とある。
①に、従来、人びとによって行われてきた書論をみても、納得できるものは皆無、、、といい。わかるようなわからないような信念を述べたてるだけで、一向に明晰な科学的考察を展開してはいない。、、、ともいう。
五十年を経た今日、書教育者は、書の本質に関する正しいとまではいわぬが洞察と、それに基づく方法を用意する努力を怠っていなかったと言えるのであろうか、、、つづく
Copyright (C) 2009-2012 立体象書研究会 All Rights Reserved. 無断での盗用,転載など類似の行為を禁じます。使用等に関しては,必ず連絡ください