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立体象書研究会事務局日記

一般社団法人立体象書研究会のホームページをご覧になっている方々からのご要望にお応えすることになりました。書はもともと難しいものとは思うけれど、立体象書研究会の考えていることが、わかりやすく、楽しく知ることができるページができたらいいね!このような要望が事務局によせられています。 -難しいことを、わかりやすく楽しく考える- そんなページができたらいいな、3次元の世界をわかってもらえるとうれしいな。そんなページを思い描きながら、事務局ブログにとりくみたいと思います。

立体象書研究会会員、甲藤さやさん
『高知市立横浜中学校自主公開授業研究会』
『行書(臨書・立体象書)』の授業を行う―②

●実施目標、ねらい
行書の基本的な省略と行書の筆脈を身につける
立体的でバランスの良い文字を考える

●5時間目活動内容
下書きのワイヤーを見ながら行書の文字を立体で表現する。

●全体計画を通しての留意点
省略によって形の変わる部分を持つ文字を選ぶ
書家の文字の特徴をとらえて臨書する
立体作品は立つように(文字のバランス)

●全体計画
1、行書としての部首(1時間)
教科書の中から、楷書と行書で明らかに形が違う部首を探して書いてみる。
2、書体字典みながら字を選ぶ(1時間)
探した部首が入っている字を選ぶ。筆脈がわからない時、どこからどう線が繋がっているかホワイトボードを使ってイメージを膨らませたり、グループで意見交換したりする。
3、シルバーのワイヤーで(1時間)
字の自立を理解させるため、造形する。
筆ペンを使いもう一度、筆脈のイメージを修正。
4、色のついたワイヤー(1~2時間)
完成。

●あとがき(甲藤さやさんのお話より、、、)
指導要領の改訂があり、特に3年生の書写は、高校での芸術科書道につながるように、できるだけ古典に触れさせようと考え、また、横浜中学校の取り組みである、学習のレベルを上げて子どもの興味をより引き付けることを目指したそうです。

2年生の行書の入口で、「立体象書」を造らせることで、スムーズに行書の筆脈への生徒の理解が深まったという手応えを掴み、今回は、3年生の入試対策もあり、楷書と行書であきらかに形がちがう部首が含まれている12画の字を書体字典より選ばせたとのことです。

字を選びながら、ホワイトボードでイメージを膨らませていく、ここで重要なポイントだったのが、文字が自立するということ。「自立するということは、バランスがよいこと」と生徒に伝えたそうです。生徒たちは、どの文字を選べば字を自立させられるか考え、その結果一番多く選ばれた文字が王羲之だったそうです。

生徒は感覚的に「格好いい」「自立する」という2点で王羲之の字を選んだ。ではどうして王羲之が格好いいのか、自立する造形なのか、掘り下げていくと、行書への理解が深まるのではないかと甲藤さんは考えています。芸術科書道へのつながりを生徒に課題として与えることができたそうです。


                                                        王羲之『喪亂帖』

子どももそうなのですが、大人も文字の筆順に無頓着なようです。これは、筆順という書き方でではなくて、筆画の順序という意識(リズムとバランス)で成立する!また、させるという意識の希薄さなのではと思います。

8月31日(金)-①、9月1日(土)-②、2日間にわたって、
立体象書研究会会員、甲藤さやさんの
『高知市立横浜中学校自主公開研究会』で『行書・臨書(立体象書)』を行う。
「授業研究」をお届けしました。

甲藤さやさんには、お忙しい中取材にご協力いただき感謝しています。
芸術書道へのつながりの課題として「立体象書」は用いられました。

※ 弱輩のためこの日記の誤字脱字等々コメントにて訂正いただけますよう
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