下図、明日メッキ工場に送る立体象書作品と一冊、「芸術の意味、ハーバート・リード、滝口修造訳、みすず書房」 昭和三十三年三月十五日 第二刷発行、‐中国の芸術‐として、p.80には、、、中国絵画について最初に知らなければならないことは、それが中国の書の延長であるということである。中国人にとって、美の特質はすべて美しく書かれた書体に具わっているのである。そしてすぐれた書体を書ける人は、同時にすぐれた絵を書ける人なのである。古典期の中国絵画はすべて線の絵画であり、その本質的な形式をつくっている線は書かれた線として評価され、鑑賞され、楽しまれる。、、、とある、

昭和三十一年「書の美学と書教育」 井島勉・墨美社のつづき
―芸術教育としての書教育― p.176つづき、
、、、正確にいえば、文字を媒質とし場所として、そこに芸術をつくるということである。いいかえると、文字を書く芸術と解するにしても、書芸術としての重点は文字にあるのではなくて、むしろ書くという点にあるのである。わかりやすくいえば、文字を書いたからといって、必ずしも書となるわけでなく、文字といえども芸術的に書かねばならぬのである。したがって、国語科に不可欠の読むこと・書くことといわれる場合の書くことと書とは根源的に性質が違うのである。だから、書くことが国語科の重大要素であるゆえに、書教育が国語科に所属せしめられるのではなくて、原理を異にする書が、まったく便宜的に、国語科の中に組み入れられているにすぎぬと理解すべきである。この便宜的な措置にすぎぬものを、本質的な関係であると思い誤ると、書教育の目的や方法の上に、由々しい誤謬をひき起こすことになるであろう。
もとより、国語科的に文字を書くことにも、いくらかの書的な要素を伴なうことも否むことはできない。しかし、その程度のことならば、文字を読むことに音楽的な要素を伴ない、社会科の学習に国語的な要素を伴なうことも指摘さるべきであろう。、、、つづく(1956年) 、
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